猫の毛球症|よく吐くのは毛玉のせい?症状・検査・治療と換毛期の予防法を獣医師が解説
「ごはんの後に、よく吐くようになった」「細長い毛のかたまりを吐いている」「毛がたくさん抜ける」——こうしたご相談で来院される猫ちゃんは、とても多いです。
猫が吐くと「毛玉かな?」と思われがちですが、注意が必要なケースもあります。とくに換毛期は、毛球症(もうきゅうしょう)が起こりやすい季節です。
この記事では、毛球症の症状、受診が必要なサイン、動物病院での検査と治療、ご家庭でできる予防法をまとめました。
毛球症とは
毛球症は、飲み込んだ毛が消化管内で塊になり、嘔吐や食欲不振を引き起こす状態です。軽度の場合は毛玉を吐いて終わりますが、うまく排出できないと腸に詰まり、腸閉塞につながることもあります。
毛が体の中にたまりやすくなる原因
猫は毎日、自分の体をなめて毛づくろいをします。そのときに飲み込んだ毛は、通常であればうんちと一緒に体の外へ出ていきます。ところが、次のような条件が重なると、毛が体の中でかたまり、外に出にくくなることがあります。
- 毛の量が多い
- 胃や腸の動きが弱っている
- 水分が足りていない
とくに注意したい猫
- 長毛種の猫
- 毛づくろいが多い子
- シニア期の猫
換毛期に毛球症が起こりやすい理由
換毛期は、冬毛から夏毛へと生え替わる自然な現象です。室内飼育の猫でも日照時間の変化の影響を受け、春は抜け毛が急増します。
猫はグルーミングによって抜け毛を飲み込むため、この時期は体内に入る毛の量が増えてしまいます。飲み込む量が多いと、胃や腸の中で毛がたまりやすくなります。水分摂取量が少ない子では、毛がスムーズに排出されにくくなることもあります。
【チェックリスト】毛球症のサイン

よく見られるサイン
- 毛の混じった吐物を繰り返す
- えずくけれど、なかなか吐けない
- 吐いた後はケロッとしている
- 食欲はあるが、吐く回数が増えている
「たまに」ではなく「最近よく吐く」状態が続く場合は注意しましょう。毛玉が原因であっても、体への負担は少しずつ積み重なっていきます。
見逃しやすい初期サイン
- 吐く回数が少し増えた
- 食事量がやや減った
- 便が細い、または量が少ない
「換毛期だから仕方ない」と思いがちですが、繰り返す場合は毛球症のサインかもしれません。元気があるように見えても、体の中では負担がかかっていることがあります。
早めの受診が必要な症状
- 何度も吐こうとするのに何も出ない
- ぐったりして動かない
- 2日以上排便がない
とくに吐きたいのに吐けない状態は、緊急性が高い可能性があります。
毛玉だけが原因とは限りません
「毛玉を吐いているから大丈夫」と思われがちですが、実際の診察では、次のようなケースも少なくありません。
- 胃腸の動きが落ちている
- 軽い胃炎や腸炎がある
- 他の病気が隠れている
毛球症はあくまできっかけで、背景に別の原因があることも多いため、吐く頻度が増えてきたら一度チェックすることをおすすめします。
動物病院で行う検査
毛球症が疑われる場合、猫ちゃんの状態に合わせて次の検査を行い、治療が必要な状態かどうかを判断します。
- 触診でお腹の張りを確認する
- レントゲン検査や超音波検査を行う
- 必要に応じて血液検査を行う
動物病院での治療
状態に応じて、次のような治療を行います。
- 毛玉の排出を助けるお薬
- 胃腸の動きを整える治療
- 吐き気止め
- 重度の場合は、内視鏡や開腹手術で毛球を取りのぞく
ご家庭でできる予防法
ブラッシング
換毛期は、こまめなブラッシングが最も効果的です。抜け毛を取り除くことで、飲み込む毛の量を減らすことができます。可能であれば毎日行うのが理想です。短時間でも継続することが大切です。
食事でのサポート
毛玉ケア用フードや食物繊維を含むフードは、毛の排出を助けます。ただし、療法食を使用している場合や持病がある場合は、自己判断で変更せずご相談ください。
水分摂取
水分摂取を促す工夫も、排出を助けるポイントになります。工夫の方法は犬猫の脱水の記事で紹介しています。
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まとめ
- 毛球症は、飲み込んだ毛が消化管内で塊になり、嘔吐や食欲不振を引き起こす状態
- うまく排出できないと腸に詰まり、腸閉塞につながることがある
- 春の換毛期は抜け毛が急増し、毛球症が起こりやすい
- 何度も吐こうとするのに何も出ない、ぐったりして動かない、2日以上排便がない場合は要注意
- 毛玉だけでなく、別の原因が隠れていることもある
- こまめなブラッシング、水分摂取を増やす工夫、毛玉ケア用フードの検討が予防になる
南アルプス市を中心に、甲府市・韮崎市・中央市・昭和町など周辺地域で、愛猫の嘔吐や食欲不振、換毛期の体調変化が気になる場合は、アルプス動物病院までお早めにご相談ください(TEL: 055-269-5539)。
この記事の監修:アルプス動物病院 院長
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