🧑⚕️寒くなると増える「おしっこのトラブル」
― 犬猫の膀胱炎・尿石症に注意! ―
こんにちは!アルプス動物病院です。
気温が下がるこの季節、「トイレに何度も行く」「おしっこの色がいつもと違う」といったご相談が多くなります。
寒くなると水を飲む量が減り、尿が濃くなることで、膀胱炎や尿石症などの泌尿器トラブルが起こりやすくなります。
🩺 膀胱炎とは
膀胱の中で炎症が起きる病気
膀胱炎は、膀胱の粘膜が細菌感染や刺激によって炎症を起こす病気です。
犬では細菌感染が多く、猫ではストレスや環境の変化が関係することがあります。
主な症状
- トイレの回数が増える
- 少ししかおしっこが出ない
- 血尿が見られる
- トイレでうずくまるような姿勢をとる
初期段階では元気があることもありますが、放置すると腎臓まで炎症が広がることがあります。
💎 尿石症とは
尿の中で結晶や石ができる病気
尿石症は、尿に含まれるミネラル成分が固まり、結晶や結石を作ってしまう病気です。
石が尿道に詰まると排尿ができなくなり、命に関わる危険な状態になることもあります。
特に注意が必要なケース
- オス猫(尿道が細く詰まりやすい)
- 水をあまり飲まない子
- 食事内容が偏っている場合
こんなサインに注意
- トイレに行くのにおしっこが出ない
- 排尿時に鳴く
- トイレを出たり入ったりする
- 落ち着きがなく、うずくまるようにする
これらは**尿道閉塞(にょうどうへいそく)**のサインであり、早急な処置が必要です。
❄️ なぜ冬に多いのか
飲水量の減少
寒くなると自然と水を飲む量が減り、尿が濃くなります。
濃い尿は細菌が繁殖しやすく、また結晶もできやすくなるため、膀胱炎や尿石症のリスクが高まります。
体の冷えとストレス
暖かい部屋から冷たい場所への移動などで体が冷えると、膀胱周囲の血流が悪くなり、免疫が下がります。
また、寒さによる環境変化や運動不足も、ストレス性の膀胱炎を引き起こす要因になります。
室内の乾燥
暖房による乾燥で喉の渇きを感じにくくなり、水を飲む回数が減ることも関係しています。
💧 ご家庭でできる予防法
水分をしっかりとる工夫
- 常に新鮮な水を用意する
- 自動給水器を設置する
- ぬるま湯を与える(香りが立ち飲みやすい)
トイレ環境の整備
- いつでも清潔なトイレを保つ
- 多頭飼育の場合は頭数+1個のトイレを設置する
- 静かで落ち着ける場所にトイレを置く
フードと体調管理
- 尿石予防用のフードを選ぶ
- おやつや人の食べ物を与えすぎない
- 定期的に尿検査を受けて異常を早期に発見する
🏥 早めの受診が大切です
膀胱炎や尿石症は、早期に治療を始めれば改善しやすい病気です。
しかし、症状を放置すると尿が出なくなったり、腎臓の機能に影響することもあります。
アルプス動物病院では、尿検査・超音波検査・レントゲンなどで原因をしっかり調べ、それぞれの子に合った治療を行っています。
再発を防ぐためのフード選びや生活習慣のアドバイスも行っております。
「おしっこの様子がいつもと違うかも?」と思ったら、早めにご相談ください。
寒い季節も安心して過ごせるよう、健康チェックにお越しいただくことをおすすめします。


