猫の歯肉口内炎とは?治りにくい理由と日常でできるケアのポイント

こんにちは!アルプス動物病院です!
今回は、猫でよくみられ、治療が長期化しやすい病気のひとつである「歯肉口内炎」について詳しくご紹介します。食欲が落ちる、元気がなくなるといった変化の背景に、この病気が隠れていることも少なくありません。口の中は外から見えにくいため、気づいた時には症状が進行しているケースも多い疾患です。

猫の歯肉口内炎とは

猫の歯肉口内炎は、歯ぐきだけでなく、頬の内側や舌の付け根、喉の入り口付近まで炎症が広がる慢性の口腔疾患です。一般的な歯周病と異なり、炎症の範囲が非常に広く、強い痛みを伴いやすい点が大きな特徴です。そのため、食べたい気持ちはあるのに痛みで食事ができず、徐々に体重が減ってしまう猫もいます。

見逃されやすい初期のサイン

初期段階では、よだれが増える、食事中に首を振る、カリカリフードを残すといった軽い変化しか見られないこともあります。また、口を触られるのを嫌がる、以前よりも怒りっぽくなるなど、性格の変化として現れる場合もあります。猫は不調を隠す動物のため、症状が進行するまで気づかれにくい点に注意が必要です。

なぜ歯肉口内炎は治りにくいのか

免疫反応の関与

歯肉口内炎は、単なる細菌感染だけが原因ではないと考えられています。体の免疫が過剰に反応し、必要以上に炎症を起こしてしまうことで、慢性化しやすくなります。そのため、抗菌薬だけでは十分な改善が得られないケースも少なくありません。

ウイルス感染との関係

猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)に感染している猫では、免疫機能が低下し、歯肉口内炎が重症化しやすい傾向があります。ただし、ウイルスに感染していない猫でも発症するため、検査結果だけで判断することはできません。

主な治療方法について

内科的治療

消炎剤や鎮痛薬、抗菌薬などを用いて、痛みや炎症を抑える治療が行われます。症状の緩和は期待できますが、薬をやめると再発することも多く、長期的な管理が必要になる場合があります。

外科的治療

内科治療で十分な改善が得られない場合には、抜歯が検討されます。特に奥歯を中心とした抜歯によって炎症の原因となる刺激を減らすことで、生活の質が大きく改善する猫もいます。すべての歯を残すことよりも、痛みなく生活できることを優先する考え方が重要です。

ご家庭でできるサポート

・食欲や食べ方、食事にかかる時間の変化を観察する
・口元を気にするしぐさや性格の変化に注意する
・定期的な健康診断で口腔内もチェックしてもらう

まとめ

猫の歯肉口内炎は、放置すると生活の質を大きく下げてしまう病気です。早期発見と継続的な治療によって、痛みを抑えながら生活することが可能になります。少しでも気になる様子があれば、早めにご相談ください。

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