犬と猫の「胃腸ポリープ」ってどんな病気?放置するとどうなるの?

胃腸ポリープとは

胃腸ポリープとは、胃や腸の粘膜が部分的に盛り上がり、小さな“こぶ”のようになっている状態のことを指します。多くは良性ですが、出血や慢性的な胃腸症状の原因になることがあります。また、内部に悪性の病変が隠れている可能性があるため、決して放置してよいものではありません。高齢の犬猫で見つかりやすい傾向がありますが、若い子に発見されることもあります。

なぜできるのか

発生に関与する要因

胃腸ポリープの原因は明確ではない場合が多いものの、慢性的な炎症、食物アレルギー、感染、遺伝的な体質、加齢などが関係すると考えられています。胃腸の不調を繰り返している子では、内視鏡検査でポリープが見つかるケースも少なくありません。症状がわかりにくいまま進行することも多く、健康診断の超音波検査で偶然見つかることもあります。

気づきやすい症状

日常で見られるサイン

嘔吐が続く

慢性的に嘔吐が見られる場合、胃や腸に異常がある可能性があります。ポリープが刺激となり、繰り返す嘔吐につながることがあります。

黒い便(タール便)

便が黒い場合は、消化管内で出血が起きている可能性があります。ポリープが原因で出血していることもあり、早めの検査が必要です。

食欲のムラや体重減少

食欲が安定しない、体重が落ちてきたなどのサインも胃腸の異常を示す重要なポイントです。小さな変化でも注意深く観察することが大切です。

診断のための検査

検査の流れ

超音波検査

まず超音波で胃腸の壁に異常な盛り上がりがないか確認します。非侵襲的で負担が少ないため、スクリーニングとしてよく用いられます。

内視鏡検査

より詳しく調べるためには内視鏡検査が有効です。ポリープを直接観察でき、必要に応じて組織検査(生検)で詳細な診断が可能です。小さなポリープであれば、その場で切除することもできます。

治療と経過観察

治療方針

ポリープの切除

出血している、悪性が疑われるなど明らかな問題がある場合は切除が必要です。内視鏡で切除できない場合には外科的処置が検討されます。

内科的な管理

背景に炎症がある場合は、食事療法や薬で胃腸を整える治療が行われます。症状の改善と再発の予防を目的とします。

定期的なフォローアップ

治療後は定期的に超音波検査や血液検査を行い、再発や新たな病変がないか確認します。胃腸の不調が続く場合は早めの診察が望まれます。早期発見により、より負担の少ない治療が可能になります。

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