【第3回】突然びっこ…?「前十字靭帯断裂」犬に多い膝の大きなケガ
1. 前十字靭帯断裂とは
こんんちは!アルプス動物病院です!
前十字靭帯断裂は、犬で特に多く見られる膝の疾患で、急に足をつけなくなるなどの明らかな跛行が生じます。膝の内部で十字状に交差する靭帯のうち、前側の靭帯が膝の安定性を保っています。この靭帯が切れると関節が不安定となり、強い痛みを伴います。
2. 発症の背景と症状の現れ方
2-1. 急性の断裂
ジャンプした着地の瞬間や、急に方向転換をした際に靭帯が切れることがあります。突然の痛みにより、犬はその足を地面につけなくなり、急な跛行として現れます。
2-2. 慢性的な弱化からの断裂
実は、激しい動き以外でも断裂は起こり得ます。加齢や炎症によって靭帯が徐々に弱くなり、ある日突然切れてしまうケースも多く見られます。シニア犬や体重の重い犬では、こうした慢性の弱化が背景にあることがよくあります。
2-3. 反対側のリスク
片方の膝が断裂すると、負担がもう一方の膝にかかりやすくなり、時間の経過とともに反対側も断裂するリスクが高まります。
3. 治療の流れと回復へのステップ
3-1. 手術が基本となる理由
前十字靭帯が一度切れてしまうと、自然に元通りに治ることは期待できません。そのため、治療の中心は手術となり、膝の構造を力学的に安定させるTPLO法やTTA法などが選択されます。犬の体格や膝の状態によって最適な手術方法が変わります。
3-2. 手術後のケアの重要性
手術後は安静が必要であり、その後は筋力を回復させるために段階的なリハビリテーションを行います。体重管理も重要で、適正体重を保つことで再発リスクを下げることができます。
3-3. 長期的なサポート
前十字靭帯断裂は長期的な管理が必要な疾患です。反対側の膝への負担を考慮し、日頃から適度な運動と体重管理を継続することが求められます。
4. 早期受診の大切さ
突然の跛行は驚かれますが、早期に診察を受けることで膝の状態を悪化させず、痛みをできるだけ早く軽減することができます。「何か変だな」と感じた段階での受診が、予後を大きく左右します。
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