【第1回】犬猫に多い整形疾患って?まず知っておきたいサインと原因
1. はじめに
こんにちは!アルプス動物物病院です!犬や猫は痛みを隠す動物であり、足や関節に不調があっても大きく鳴くことはほとんどありません。そのため、歩き方がわずかに変わったり、段差を避けるようになったりする日常の小さな変化が、整形疾患の最初のサインとなります。飼い主さんが早めに気づくことが、重症化を防ぐ大きな手助けとなります。
2. 整形疾患に見られるサイン
2-1. 歩行の変化
片足をかばうように歩く、スキップするように足を浮かせる、歩幅が小さくなるなど、いつもの歩き方とは異なる動きが現れることがあります。こうした変化は、痛みや関節の不安定さが原因となっている場合が多く、早期の受診につながる重要な観察ポイントとなります。
2-2. 動作・行動の変化
普段は軽々とジャンプしていた子がためらうようになったり、段差を避けて遠回りをするようになったりする場合、関節に負担がかかっている可能性があります。また、散歩の途中で急に止まったり、疲れやすくなったりすることも、整形疾患でよくみられる兆候です。
2-3. 触られ方のサイン
足先を触られることを嫌がったり、しきりに舐めたりする行為も、不快感や痛みを示していることがあります。特に、片側の足だけを執拗に舐める場合には、明確な違和感があることが多いため注意が必要です。
3. 整形疾患の主な原因
3-1. 若い犬猫に多い疾患
膝蓋骨脱臼や股関節形成不全、大腿骨頭すべり症など、成長期の骨格の特徴が影響して発症する疾患があります。体のバランスや骨の成長に偏りがあると、日常の運動だけでも関節に負担がかかりやすくなります。
3-2. 中高齢に多い疾患
加齢とともに関節のすり減りが進むことで、変形性関節症を発症することがあります。動き出しのぎこちなさや硬さを感じるようになり、徐々に運動量が低下していく傾向が見られます。
3-3. 生活環境が与える影響
滑りやすいフローリングでの生活や、繰り返し高い場所の昇り降りをする習慣は、足腰の負担を増やします。特に小型犬や猫では関節が小さく繊細なため、日常の積み重ねが負荷となる場合があります。
3-4. 事故や落下によるケガ
ソファから降りたときの衝撃など、ごく軽い衝撃でも骨折につながる場合があります。飼い主さんが目を離した一瞬の出来事でも起こるため、思わぬタイミングで整形疾患が発生することがあります。
4. 早期発見の大切さ
整形疾患は早期に対応することで、痛みの軽減や進行の予防につながります。「少し様子を見る」という判断が、かえって別の関節に負担をかけて悪化を招くこともあります。日常の小さな変化を見逃さず、早めの受診が動物にとって大きな負担軽減となります。
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