🦷第2回:ご家庭でできるデンタルケアと上手な始め方

はじめに

こんにちは!アルプス動物病院です!
前回は、わんちゃん・ねこちゃんのデンタルケアがなぜ大切なのかをお伝えしました。今回は、実際にご家庭でできるケアの種類と、歯みがきを嫌がらせずに進めるためのステップについて、より具体的に紹介します。デンタルケアは「毎日続けること」が最も重要ですが、いきなり完璧を目指す必要はありません。その子のペースに合わせて少しずつ慣らすことで、多くの子が無理なく続けられるようになります。


家庭でできるデンタルケアの種類

歯ブラシによる歯みがき(最も推奨)

最も効果的なケア方法は歯ブラシを使った歯みがきです。歯と歯ぐきの境目に付いたプラーク(歯垢)は数日で歯石に変わるため、こまめに除去できる歯ブラシは非常に優れています。歯石になると家庭では取れず、病院での処置が必要となるため、日々のケアが大切です。

歯みがきシート

シートで歯の表面をこする方法は、ブラシが苦手な子の導入としておすすめです。汚れ落ちの効果はブラシに劣るものの、口周りを触る練習としてとても役立ちます。

デンタルガム・噛むおやつ

噛むことで歯の表面の汚れを落とすサポートができます。ただし、「ガムを噛ませているから歯みがきは不要」というわけではありません。あくまで補助として使うのが理想です。

デンタルジェルやスプレー、飲水添加型サプリ

口の中の環境を整える効果が期待できます。歯みがきがどうしても難しい子のサポートには有効ですが、ブラッシングを完全に置き換えるものではありません。


歯みがきを嫌がらせないためのステップ

ステップ1:口周りを触る練習

まずは、ほっぺや口角に軽く触れる練習から始めます。触られることに慣れていない子は、この段階を丁寧に行うことが成功の鍵です。触れたらすぐ褒めて終わる、小さな積み重ねが大切です。

ステップ2:唇をめくる練習へ

触られることに抵抗がなくなったら、唇を軽くめくって歯を見せてもらう練習に進みます。この時も無理はせず、ほんの数秒で終わらせるのがポイントです。

ステップ3:シートで歯を優しくなでる

次に歯みがきシートで前歯を軽くこすります。最初は数回こするだけで十分です。慣れてきたら少しずつ奥歯に広げましょう。

ステップ4:歯ブラシへステップアップ

いよいよ歯ブラシを使います。最初は磨きやすい前歯や犬歯からスタートし、徐々に奥歯へと範囲を広げていきます。「今日は右側だけ」「30秒だけ」など、短時間でも続けることが何より大切です。


継続のコツ

無理をしないことが最大のポイント

嫌がった状態で続けると、次回も抵抗が強くなります。完璧に磨けなくても、毎日少しずつ積み重ねる方が効果的です。

成功体験を積ませる

触らせてくれたら褒める、短時間で終わる、できたらごほうびをあげるなど、プラスのイメージづくりが歯みがき定着につながります。

苦手な子には「組み合わせ」も有効

歯ブラシがどうしても難しい場合は、

  • ガム
  • シート
  • ジェル
  • サプリ
    などを組み合わせて無理なく継続する方法も選べます。

次回予告

次回は、歯科治療が必要になるサインと、動物病院で実際に行う専門的な処置について詳しくお伝えします。家庭でのケアだけでは防ぎきれないケースや、すでに歯石が多く付いてしまっている場合、どのような状態なら受診した方がよいのかなど、見逃したくないポイントを丁寧に解説します。また、麻酔を使った歯科処置の流れや、安全性を高めるための検査についても分かりやすく紹介します。「どのタイミングで病院に行けばいいの?」「麻酔が心配だけど大丈夫?」といった不安が解消できる内容になっていますので、ぜひ続けてご覧ください。

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