🐶膵炎(すいえん)ってどんな病気?症状が急速に悪化する理由

はじめに

膵炎(すいえん)は、犬猫どちらにも起こりやすい消化器の病気です。特に犬では急性のケースが多く、猫では慢性的にじわじわ続くタイプがよく見られます。初期症状が分かりづらいこともあり、気づいた時にはぐったりしてしまうなど、急激に重症化することもあるため注意が必要です。


膵炎とはどんな病気?

膵臓の役割

膵臓(すいぞう)は、

  • 食べ物を消化する「消化酵素」を作る
  • 血糖値を調整するホルモン「インスリン」を出す
    といった、体の健康に欠かせない働きをもつ臓器です。

膵炎の状態

膵炎とは、この膵臓に炎症が起きてしまう病気のことです。炎症の程度によって

  • 急性膵炎(突然症状が出て重くなりやすい)
  • 慢性膵炎(繰り返したり長く続く)
    に分けられます。

特に急性膵炎は、命に関わるほど急激に悪化することがあり、早期受診がとても重要です。


症状が急速に悪化する理由

消化酵素が自分の体を攻撃してしまう

膵炎が怖いとされる理由は、膵臓の中で本来は食べ物を消化するはずの「消化酵素」が
自分自身の膵臓を攻撃してしまう状態になる ことにあります。

酵素が過剰に活性化すると、膵臓が自ら“消化される”ような状態になり、強い炎症と痛みが一気に広がります。

全身へ広がる炎症

膵臓の炎症は周囲の臓器にも波及し、

  • 肝臓
  • 腎臓

  • などにダメージが及び、多臓器不全につながる危険性があります。

そのため、症状が「急に悪化したように見える」ケースがとても多いのです。


膵炎の主な原因

起こりやすい状況

膵炎はひとつの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起こると言われています。

  • 高脂肪のおやつや人の食べ物を食べた
  • 肥満傾向がある
  • 中高齢
  • 糖尿病や甲状腺の病気など持病がある
  • 急な食事変更
  • ストレス
  • 薬の影響

犬では「脂っこいものを食べたあとに急性で発症」、猫では「慢性で気づきにくい」傾向があります。


膵炎の治療方法

早期治療が回復の鍵

膵炎の治療は、原因そのものを完全に取り除くというよりも、膵臓を“安静にする”ことが中心です。

主な治療

  • 点滴で水分バランスを整える
  • 嘔吐を抑える薬
  • 痛みどめ
  • 栄養サポート
  • 胃腸にやさしい食事療法

重症の場合は入院が必要となることもあります。


まとめ

膵炎は、最初は「食欲がない」「元気がない」など軽い症状に見えることがありますが、短時間で重症化することがある危険な病気です。
中高齢の子や、最近食事内容が変わった子は特に注意が必要です。

「いつもと様子が違うかな?」と感じたら、お早めにご相談ください。
早期の受診が、より良い回復につながります。

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