犬猫の“冬の脱水”に注意!寒い季節こそ水分不足が増える理由
はじめに
冬は「脱水とは無縁」と思われがちですが、実は犬猫が水を飲む量は夏よりも少なくなることが多く、知らないうちに水分不足に陥るケースが増えます。気温が低い環境では「喉の渇きを感じにくい」「乾燥によって体から水分が奪われる」など、いくつもの原因が重なります。今回は、冬の脱水を防ぐために、飼い主さんが日常でできるケアをご紹介します。
なぜ冬に脱水が起きやすいのか
① 水を飲む量が自然と減る
冬はのどの渇きを感じにくくなるため、犬猫は自ら進んで水を飲む頻度が減ります。特に暖房の効いた室内にいると、気温差で飲水量が乱れやすくなります。
② 室内の乾燥で水分が奪われる
暖房の使用によって空気が乾燥し、皮膚や呼吸から失われる水分量が増えます。「乾燥しているのに飲水量が減る」というギャップが、冬の脱水の最大の落とし穴です。
③ シニアや腎臓が弱い子は特に注意
加齢により水分調整能力が低下するため、シニア犬猫では冬の脱水リスクが高まります。腎臓病の治療中の子は、冬の飲水量の確認がより重要です。
犬猫の飲水量の目安
犬の飲水量の目安
体重1kgあたり50〜60ml/日が基本的な目安です。例:5kgの犬 → 250〜300ml/日程度。
猫の飲水量の目安
猫はもともと飲水量が少ない動物ですが、体重1kgあたり40〜50ml/日が理想とされています。
急に飲水量が減った・増えた場合
寒い時期とはいえ、極端に飲まない状態が続く場合は注意が必要です。また、逆に飲水量が急に増える場合は、内臓疾患のサインであることもあります。気になるときはご相談ください。
冬の脱水を防ぐための工夫
① 水の“温度”を変えてみる
冷たい水が苦手な子は、常温〜ぬるま湯(35〜38℃程度)にするとよく飲むことがあります。寒い日ほど効果的です。
② 水の“置き場所”を増やす
犬猫は“見つけたときに飲む”ことが多いため、常にアクセスしやすい場所に複数設置することがおすすめです。特にシニアや多頭飼育の家庭では重要です。
③ ウェットフードを活用
ウェットフードには約70〜80%の水分が含まれています。普段カリカリ中心の子に、部分的に混ぜるだけでも水分補給の助けになります。
④ 自動給水器や流れる水を利用
流れる水を好む子も多いため、循環式給水器を導入すると飲水量が増えることがあります。冬はタンク内の水温が冷えやすいので、こまめに交換を。
⑤ 部屋の乾燥対策も大切
加湿器の使用・洗濯物の室内干しなどで室内湿度を40〜60%に保つと、体からの水分蒸発を防ぎやすくなります。
こんな場合は早めに相談を
- 明らかに水を飲む量が少ない
- オシッコが極端に少ない/濃い
- ぐったりして元気がない
- 乾燥で皮膚の調子が悪い
冬の脱水は“徐々に進行”することが多く、気づいたときには状態が悪くなっているケースもあります。特にシニアの子や、もともと腎臓に不安がある子では、早めの相談が安心につながります。
まとめ
冬は気温だけでなく、乾燥や生活パターンの変化によって、犬猫の脱水が起こりやすい季節です。「冬だから安心」と思わず、毎日の飲水量・おしっこの様子・室内環境を少し意識するだけで、大切な家族の健康を守ることができます。いつでもお気軽にご相談ください。
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