給水器とお皿、どちらが良い?猫の水分摂取の工夫

はじめに

こんにちは!アルプス動物病院です。
猫ちゃんはもともと「水をあまり飲まない」動物と言われています。でも、飲水量が少ないと 尿石症・腎臓病・膀胱炎 などのトラブルにつながりやすく、普段からの水分補給はとても重要です。

最近は「自動給水器のほうがよいですか?」「お皿の方が飲む量が多いですか?」といったご相談をいただくことが多くなりました。
そこで今回は、給水器とお皿の違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてお家でできる飲水量アップの工夫をまとめてご紹介します。


給水器(ウォーターファウンテン)のメリット・デメリット

給水器のメリット

① 流れる水が好きな猫は飲みやすい

猫は「流れる水=新鮮」という本能があり、動く水の方を好む子が多いです。
静止した水をあまり飲まない猫でも、給水器に変えた途端によく飲むようになるケースがあります。

② 酸素を含むためニオイが気になりにくい

水が循環することで空気に触れる時間が増え、ニオイが出にくいと言われています。
ニオイに敏感な猫にはプラスに働きます。

③ 留守中でも一定量の水を保てる

タンクが大きめのタイプなら、水が切れにくく、お留守番の多いご家庭でも安心です。


給水器のデメリット

① こまめな掃除が必要

ポンプやフィルター部分に汚れがたまりやすく、放置すると逆に菌が繁殖しやすい のが欠点です。
最低でも週1〜2回のお手入れは必要になります。

② 電源が必要

コードが気になる子はいたずらしてしまうことがあります。
置き場所に工夫が必要です。

③ 運転音が苦手な猫も

モーターのわずかな振動音を嫌がる猫もいて、実際に置いてみないと分からない部分があります。


お皿(ボウル)のメリット・デメリット

お皿のメリット

① 手軽で衛生管理しやすい

毎日サッと洗えて、常に清潔を保ちやすいのが大きなメリットです。
ステンレスや陶器の器はキズがつきにくく、菌が繁殖しにくい点でも優秀です。

② 音がしないため安心して飲める

機械音がないため、音に敏感な猫でも落ち着いて飲むことができます。

③ 複数の場所に置きやすい

水を「いくつかの場所に置く」ことは飲水量アップにとても効果的。
お皿なら気軽に多頭飼育用にも設置できます。


お皿のデメリット

① 水がすぐにぬるくなる

特に夏場は、時間が経つと味やニオイが変わり、飲まなくなることがあります。
こまめな交換が必要です。

② 猫によっては「動きがない水」に興味を持たない

水が止まっていると飲まないタイプの猫には、給水器のほうが効果が出やすいことがあります。


どちらが良い?猫のタイプで選ぶポイント

◆ 給水器が向いている猫

  • 流れる水に興味を示す
  • 洗面所の蛇口から飲みたがる
  • 動きのあるものが好き
  • 水を置いてもあまり飲まない

◆ お皿が向いている猫

  • 音や振動が苦手
  • 定位置の水をよく飲む
  • お皿で満足している
  • 臭いに敏感で、器の材質にもこだわりがある

どちらが良いかは猫によって違うため、
「お皿+給水器の併用」 が最も成功しやすい方法といえます。


ご家庭でできる飲水量アップの工夫

① 水を複数の場所に置く

寝室・リビング・廊下など、よく通る場所に置くと飲む回数が増えます。

② 器の材質を変える

ステンレス、ガラス、陶器など、猫の好みが分かれることがあります。
特にプラスチックは傷が入りやすく、ニオイが残るためおすすめしないことが多いです。

③ ウェットフードを取り入れる

水を飲まない子には、食事から水分を摂る工夫も効果的です。
ドライフードに少量のぬるま湯を加えてもOK。

④ こまめに水を交換する

新しい水に替えるだけでも飲む量が増えることがあります。

⑤ 器の高さを調整する

少し高めにすると飲みやすくなる子もいます。


まとめ

猫ちゃんの水分摂取は、健康維持のためにとても大切なポイントです。
給水器・お皿のどちらが正解というわけではなく、猫の性格や好み、生活環境に合わせて選ぶことが大切 です。

「どちらが合っているか分からない」「飲水量が少なくて心配」など、気になることがあればいつでもご相談ください。
アルプス動物病院では、猫ちゃんの体質や生活スタイルに合わせたアドバイスも行っています。

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