犬の前庭疾患とは?突然ふらつく・首が傾くときに知っておきたいこと
こんにちは!アルプス動物病院です!
犬の前庭疾患は、体のバランスを保つ役割を持つ「前庭」という部分に異常が起こることで、ふらつきや首の傾きなどの症状が現れる病気です。ある日突然発症することが多く、元気だった犬が急に立てなくなる様子を見て、強い不安を感じる飼い主さんも少なくありません。
前庭は耳の奥や脳と密接に関係しており、体の傾きや動きを感知する重要な器官です。この部分にトラブルが起こると、見た目の変化が大きく出やすく、「脳の病気ではないか」と心配されることも多い疾患です。
前庭疾患が起こる仕組み
前庭の役割
前庭は、頭の傾きや回転を感知し、体のバランスを保つ働きをしています。この情報は脳へ伝えられ、目や体の動きと連動することで、まっすぐ立ったり歩いたりすることができます。
異常が起こるとどうなるか
前庭に異常が起こると、体の傾きを正しく認識できなくなり、ふらつきや首の傾き、同じ方向に回り続けるといった症状が現れます。また、眼球が小刻みに動く「眼振」が見られることもあります。
前庭疾患の主な原因
特発性前庭疾患
中高齢の犬で多く見られるのが、原因がはっきり特定できない特発性前庭疾患です。このタイプは命に関わることは少なく、時間の経過とともに改善していくケースが多いとされています。
内耳のトラブル
耳の奥に炎症が起こることで、前庭の働きに影響が出る場合があります。外耳炎や中耳炎を繰り返している犬では注意が必要です。
脳の病気が関係する場合
腫瘍や脳の炎症などが原因となるケースもあり、症状の出方や経過によっては慎重な検査が必要になります。
よく見られる症状
動きや姿勢の変化
急なふらつき、立ち上がれない様子、首が一方向に傾いたままになるといった変化が見られます。
消化器症状
バランスが取れないことで、吐いてしまったり、食欲が落ちたりすることがあります。
行動の変化
不安そうに鳴いたり、動くのを嫌がったりするなど、普段と違う様子を見せることもあります。
検査と診断の進め方
神経学的なチェック
診察では、歩き方や反応を確認し、前庭に異常があるかどうかを評価します。
追加検査が必要な場合
症状の経過や年齢によっては、血液検査や画像検査を行い、他の病気が隠れていないかを確認します。
回復までの経過と見通し
発症直後の時期
発症直後は症状が最も強く出ることが多く、立てない状態が続くこともあります。
改善していく過程
数日から数週間かけて徐々にふらつきが軽減し、日常生活が送れるようになるケースが多く見られます。首の傾きが少し残ることもありますが、生活に大きな支障が出ないことがほとんどです。
自宅で気をつけたいポイント
環境の工夫
転倒を防ぐため、滑りにくい床にする、段差を減らすなどの配慮が大切です。
生活のサポート
無理に歩かせず、静かに休める環境を整えましょう。食事や水が取りにくそうな場合は、器の高さや位置を調整してあげることも有効です。
突然の症状に驚いてしまう病気ですが、前庭疾患の多くは適切な対応で回復が期待できます。様子がおかしいと感じたときには、早めに相談することが安心につながります。
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