【第2回】小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」ってどんな病気?対処法と予防
1. 膝蓋骨脱臼とは
こんにちは!アルプス動物病院です!膝蓋骨脱臼は、小型犬に特に多く見られる代表的な整形疾患です。膝のお皿が本来の位置から外れてしまうことで、歩行に違和感が生じ、足を浮かせたり、スキップするような動きを繰り返したりします。この症状は突然現れることが多く、飼い主さんが最初に異常を感じるきっかけになります。
2. 症状の現れ方と発症の背景
2-1. 歩き方に現れるサイン
歩行の途中で突然片足を浮かせ、その後すぐに通常の歩行に戻るという特徴的な動きは、膝のお皿が外れて自然に戻る際に起こります。軽度の場合は痛みが少なく、気づかれにくいまま進行してしまうことがあります。
2-2. 膝周囲の構造が影響する場合
膝周りの骨格にわずかなズレがあると、膝蓋骨が外れやすくなります。先天的な構造の問題が背景にあることが多く、成長とともに症状が進行するケースもあります。
2-3. 進行とともに現れる変化
脱臼が戻りにくくなると、歩行全体が不安定になり、常に足をかばうような動きを見せるようになります。症状が進むほど痛みの伴う頻度が増え、日常生活にも影響が及びます。
3. グレード分類と治療方針
3-1. グレード別の特徴
膝蓋骨脱臼は四段階に分類されます。軽度では自然に戻ることもある一方、重度では常に膝が外れた状態となり、痛みや変形を伴います。
3-2. 保存療法が適応となる場合
軽度の場合は、体重の管理や生活環境の改善によって症状を抑えることが可能です。滑りやすい床を改善することで膝への負担が減り、筋力をつけることで膝の安定性が高まります。
3-3. 手術が必要となる場合
膝が常に外れる状態になった場合や痛みが強い場合には、手術で膝の構造を整えることが選択肢となります。膝蓋骨が正しい位置に収まりやすいように溝を深くしたり、骨の方向を調整したりすることで安定性を高めます。
4. 予防と日常のケア
4-1. 体重管理の重要性
体重が増えるほど膝への負担は大きくなります。適正体重の維持が最も効果的な予防策となります。
4-2. 生活環境の整備
フローリングの滑りやすさを改善したり、段差を減らしたりすることで、膝にかかる負担を大幅に軽減できます。
4-3. 成長期からの筋力づくり
適度な運動は膝の安定に役立ちます。若い頃から無理のない範囲で運動習慣を身につけることで、発症リスクを下げることができます。
5. まとめ
膝蓋骨脱臼は、日常の小さなサインから気づくことのできる疾患です。歩き方に違和感を感じた際には早めの相談が大切です。次回は、突然の跛行を引き起こす「前十字靭帯断裂」について詳しく紹介します。
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