【第3回】長く快適に過ごすための生活・食事・運動の工夫

こんにちは、アルプス動物病院です。
シニア期のわんちゃん・ねこちゃんが少しでも長く、心地よく毎日を過ごせるようにするためには、生活環境・食事・運動 の見直しがとても大切です。
第3回となる今回は、今日からすぐに実践できるケアのポイントをまとめました。


シニア期に必要な「生活環境」の工夫

① 滑り止め対策

シニアになると筋力やバランス感覚が低下し、フローリングで滑りやすくなります。

  • マットを敷く
  • カーペットで歩くスペースを広く取る
  • 段差を少なくする

転倒は関節を痛めるだけでなく、自信を失わせてしまうこともあるため、早めの対策がおすすめです。


② 寒暖差に注意する

年齢を重ねると体温調節が苦手になります。
暖房や冷房が強すぎると体の負担になるため、穏やかな室温管理 を心がけましょう。

冬:暖かい寝床、毛布、風の当たらない場所
夏:涼しい休憩場所、直射日光を避ける工夫


③ 夜間の環境づくり

認知機能が低下し始めると、夜間に落ち着かなくなることがあります。

  • 小さな常夜灯をつける
  • ベッドの位置を変えない
  • 静かな環境を保つ

環境を整えるだけで安心感が大きく変わります。


シニアに適した「食事」のポイント

① カロリーと栄養バランス

シニア期は若い頃に比べて代謝が落ちるため、必要なカロリーも変わります。
一方で、タンパク質は必要量をしっかり確保すること が大切です。

気をつけたいポイント

  • 体重が増えてきたらカロリー調整
  • 腎臓の数値に応じてタンパク質量を調整
  • 消化しやすい食事を選ぶ

病気によって必要な栄養が異なるため、診察時にフードの相談も承っています。


② 食欲にムラが出た場合

  • フードを少し温めて香りを出す
  • ウェットフードを混ぜる
  • 1日の回数を増やす(少量多回)

食べない日が続く場合は、病気の可能性もあるため早めにご相談ください。


③ 水分摂取を増やす工夫

腎臓や泌尿器の健康のためにも重要です。

  • 流れるタイプの給水器を置く
  • ウェットフードを取り入れる
  • スープやぬるま湯をフードに混ぜる

特に猫は加齢とともに飲水量が減る子が多いので、意識的な対策が必要です。


シニア期の「運動」の考え方

① 無理なく継続できる運動

若い頃のような長時間の散歩は必要ありませんが、短時間でも毎日の運動がとても重要 です。

犬の場合

  • 時間よりも頻度を重視
  • 15~20分の散歩を1~2回
  • ゆっくり歩くペースでOK

猫の場合

  • 5〜10分の軽い遊び
  • 高い所に飛び乗る動作を減らす
  • おもちゃで無理のない刺激を与える

② 関節の負担を減らす工夫

  • 階段の上り下りを控える
  • 高い場所にジャンプしないようステップを用意
  • 体重管理で関節への負担を減らす

痛がる素振りがある場合は、早めに診察を受けると治療の選択肢が広がります。


シニアを支える「メンタルケア」

年齢を重ねると、視力・聴力の低下や認知機能の変化で不安を感じやすくなります。

  • スキンシップを増やす
  • 名前を優しく呼ぶ
  • 生活リズムを大きく変えない

人と同じように、安心できる環境が心の健康にもつながります。


まとめ

シニア期のケアは、環境・食事・運動の少しの工夫で、毎日の快適さが大きく変わります。
大切なのは 無理をさせないこと、そして小さな変化に気づくこと です。

アルプス動物病院では、フード相談・運動量のアドバイス・シニア健診など、年齢に合わせたサポートを行っています。
南アルプス市・甲府市・中央市・昭和町にお住まいの皆さまのご家族が、穏やかで幸せなシニア期を過ごせるようお手伝いいたします。

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